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ハレの日はマック(あるいはマクド)

2026.02.27

中学時代、授業中にマクドナルドのメニューが載った下敷きを眺めながら、
「1,000円以内でいかにバラエティーに富んだ注文ができるか」
を真剣に考えていました。

当時は、今でいうセットの設定はなく全て単品オーダーのみ。
ビッグマック・ポテトM・ドリンクだけで800円を超え、
追加できるのはホットアップルパイ程度。
限られた予算の中で最適解を探す——そんな小さな高揚感を与えてくれる
あの頃のマックは、中学生にとってまさに“ハレ”の場所でした。

2026年2月最終週、マクドナルドは10円〜50円の値上げを実施しました。
2022年3月から数えても今回で5度目の価格改定で、
一回ごとの値上げはわずかな幅に見えても、かなりの割合で高くなっています。
もはや「ファーストフード」イコール「気軽な日常食」
とは言いにくい価格帯になってしまった、と多くの方が感じているかもしれません。

とはいえ、昭和の頃、マクドナルドは決して“安価”な存在ではなく、
どちらかといえば少し特別感のあるお店でした。
平成の長いデフレ期に安売りが定着し、「安いのが当たり前」という価値観が
社会に根付いてしまった結果、元来の価格水準に戻りつつある現在を、
心理的に受け入れにくい側面もあるのかもしれません。

ここで思い出されるのが、英誌 The Economist が公表する「ビッグマック指数」です。
各国の通貨の実力を測るこの指標によれば、2月25日現在、日本のビッグマック価格は約480円
(※今回の値上げ後は500円)で、世界54か国中48番目。
1位スイスの約1,440円と比べれば、十分安価な気がします。

しかし本質は価格そのものではなく、「その1個を買うために何分働く必要があるか」という視点です。
UBSなどの世界的金融機関が公表するデータによれば、労働時間で換算すると、
スイスでは約10~15分で買えるのに対し、日本では約20~25分と約1.7倍余分に働く必要があります。
賃金水準と円安という二重の構造が、数字以上の重さを日本人の財布に与えているのです。

価格の変化は、企業努力の限界や世界経済の構造を映す鏡でもあります。
身近なブランドの価格改定からでも自国経済の現状を推し量ることができる。
ドライブスルーでメニューを眺めながら、ふとそんなことを考えてしまう今日この頃です。

A.K

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