株式会社北村商店 | 愛知県名古屋市

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80年前の夏と缶詰

2025.08.22


今年の弊社お盆休みは、食品流通業としては長めの9連休となりました。
保管・運送が外部のご協力によって成り立っていることから、休暇を合わせる形となった結果です。
この長期休暇が実現できたのは、お得意先各社のご理解あってのことと存じます。
この場を借りて、厚く御礼申し上げます。

さて、そんな長い夏休みも、お墓参り以外は特に予定もなく、
普段後回しにしていた身の回りの整理整頓をしながら、買い溜めていた映画を観返して過ごしました。
その中の一作として、戦後80年という節目の年でもあることから、
数年ぶりにアニメーション映画『この世界の片隅に』を観直しました。

広島市と呉市を舞台に、のんびり屋の女性“すず”さんの視点で、
戦前のほのぼのとした子ども時代から結婚・終戦までを、丁寧な作画と演出で描いた名作です。

戦時中といっても、常に悲愴な気持ちで過ごしていたわけではありません。
家族で食卓を囲み、笑いながら食事をする当たり前の生活があり、
そのささやかな幸せが一瞬で失われる悲劇があっても、
飲み込み、受け入れ、前を向いて暮らしていこうとする“すず”さん。

何度観ても深く考えさせられると同時に、心に温かな余韻を残す作品です。
未見の方には、ぜひご覧いただきたいと思います。

今回は数度目の鑑賞だったため、細かな描写に目が留まりました。
そのひとつが、北条家に嫁いだすずさんの家に幼馴染が「入湯上陸」
(軍艦勤務の乗員が寄港中に外泊許可を得ること)で訪ねてきた際、
手土産として缶詰を持参していたシーンです。

画面をよく見ると、デザイン的に畜肉の缶詰と柑橘類らしき缶詰と読み取れ
念のため調べたところ、右側は「牛肉の缶詰」、左側は「金柑の甘露煮」との情報が見つかりました。
当時は、一日の配給が「3食4人分で、煮干し4匹と卯の花(おから)のみ」といった日々。
その中で缶詰はとてつもない高級品として、さぞ喜ばれたことでしょう。

作中の牛肉缶詰は2号缶か3号缶ほどの大きめの缶で描かれていましたが、
現在は牛肉大和煮としてT3号缶と呼ばれる平たい形で、スーパーなどでも手軽に購入できます。
一方の金柑甘露煮は、家庭用の缶詰としてはほとんど製造されなくなり、現在は瓶詰が主流です。
そのため「どうしてもあの日の北条家の食卓を再現したい!」という方以外は、
ぜひ瓶詰で美味しい金柑をご賞味ください。

なお、弊社では上記2商品の常時取り扱いはございませんが、業務用の金柑であればご案内可能です。
製菓材料やおせちの具材をお探しの際は、ぜひお声がけくださいませ。
(ただし受注発注商材となるため、時期によってはお受けできない場合もございます)

その後も缶詰シーンを凝視していたところ、畜肉缶詰はどうも牛には見えず、
さらに手に何かを抱えている様子がありました。タケノコ・・・か?
だとすれば、これは牛ではなく熊肉の缶詰かもしれません。
なぜなら、現在でも北海道名産として熊肉と筍を合わせた缶詰が販売されているからです。

いつの日か、片渕須直監督ご本人から正解を教えていただけたら嬉しく思います。

A.K

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